ちいさなしあわせ

朝早く猫がくっついてきます。
大方、ごはんが目的の子と、食べ終わって甘えに来る子。

休日は遅くまで眠りたい私の側にくっつく子と、
少し見上げて待つ子。

ひとりじゃないっていいな。

自分ひとりが当たり前でここまできたので、
ペースを崩されて疲れることもあるけど、
この子たちが私を慕ってくれているのが
素直に伝わる。
ひねくれることなく
素直に表現してくれる。

一緒に生きてるって伝わる。

帰宅時はあくびと背伸びをしながら
部屋の奥から玄関前へ迎えに来る。

待ってたって伝わる。
きっとお腹空いてのことだけど、
待っててくれる存在の優しさがうれしい。

夜から夜明けに何度も起こされて
ようやく寝付けたら、
ミケちゃんが私の耳に向かって大きな声で鳴く。

無視できないくらいデカい声。

ごはんだけじゃないかもって思うことがある。
私が生きてるか、生存確認してる？って時がある。

おーい、生きてる？
死んでない？

みたいな。

子どもの頃、ばーちゃんに起こされた朝のよう。

生活を共にして
お互いを認めて一緒に生きる。

コロナ禍でなかなか友人や知り合いにも会えない。
仕事はコロナ感染対策など普段以上にピリピリしてる。
業務も増えた。

ストレスが溜まっても人にも会えず、
時々買い物に行くくらい。

たくさん人がいると、怖くなる。
さっさと帰らなきゃってなるから、ストレス解消ほど
ゆっくりしていられない。

唯一、猫たちのごはんだけは、よく買っている。

これ、どうだろうとか、これ、喜ぶかな？とか。

自分のものより購入多いかも。

子どもがいる家庭なら、子どものもの買っているのかな。

家に帰って、
買ってきたものをお皿に移して食べてる姿を見ると
ほっとする。
美味しい？
よかったねって。

小さなほんのささやかなしあわせ。

ひとりじゃないって、いいな。

撫でていると向こうも私も心地よい。

お腹見せてくれると、
撫でながらあったかいお腹の下に手を入れて温かな感覚が
心を緩める。

毎日、明日も明後日もずっと続きますように。


今も隣でタロちゃんが寝てる。
時々寝息をたてる。